昨年から年明けにかけて雪山歩行を中心とした雪山講習会を主に個人ガイドにて開催させていただきました。
特に重点を置いているのが 雪山歩行技術
雪の上での歩行は、雪がふかふかしている時など、ときに無雪期よりも適当な足運びで歩けることがあったり、またアイゼンを着用することでグリップ力が増すため、適度に締まった雪面では、これまた適当な足運びで歩けることがあります。
実際の雪山登山でも、そのような歩き方をされている方が多くいらっしゃいます。
しかし、ふかふか雪の平地や整備された場所ならともかく、山道では非常に危険です。
最近ではネットなどの影響か、十分な登山経験がなく雪山に入られる方、クライミングの延長で見た目の華やかさから雪山登山を経験されずにアイスクライミングのために山に入れる方が見受けられます。
雪面でのスリップ、アイゼンの引っ掛けは大事故につながる可能性があります。
先日も講習中に谷川岳より下山中と思われる男性が膝ほど積もった雪面を小走りに降りて来られていました。『歩き方が危ないな・・・』と思っていると次の瞬間、男性はアイゼンを引っ掛けて転倒。雪が深く何事もなく起き上がってロープウエィ駅へ・・・
これ、転んだ側が固い雪面だったらどうでしょう?
「それに備えて滑落停止訓練が必要!」
となる前に、それよりもまず、正しく雪山を歩く、歩行技術を身につけましょう。
まずは転ばない歩き方を身に着けることが大切です。
これは、知っているだけではなく、正しく歩けて、それが自分のものになるまで練習することが大切です。
ご自身の歩き方で、今まで登山靴だけで雪面を歩くとよく転ぶ、アイゼン走行ではよく爪を引っ掛けるという体験をされる方、今一度歩き方を見直してみませんか?
更に多く見受けられるのは、全く活用されていないピッケル・・・
ピッケルは冬山の飾りではありません。
滑落停止のためだけではありません。
正しく持ち歩けていますか?
私が行う講習会では
・アイゼンを付けないで雪面の昇降、トラバース
・アイゼン着用での雪面の昇降、トラバース
・ピッケルを用いた歩き方
・雪山装備の着用方法 etc
これらを中心に開催させていただいております。
雪山は一般登山道であっても条件によっては非常に危険な場所に変わります。
冬の山をしっかりと歩けるようになることで、当然、夏の山でもしっかりと歩けるようになります。
現在は個人ガイド依頼での講習会となりますが、お友達とお誘いあわせのうえ、一度申し込みを検討されてみてはいかがでしょう。
FuruhataMountainGuideOfficeではまだ今シーズの冬山講習を募集しております。