2025年7月、新穂高温泉からスタートして7泊8日、北アルプスの天上の楽園こと雲ノ平と日本で一番行くのが大変な温泉としても有名な高天原を巡るプライベートガイドに行ってきました。

これは昨年夏(2024年)僕のクライアントよりお友達をご紹介いただき、その方からの依頼でした。
僕のクライアントでは珍しく初心者、初級者からのご依頼ではなく、他のガイド山行にも広くご参加されている登山経験のある方からのご依頼でした。参加はその方と別のお友達の70代女性2名。
これまでの経験をうかがうとクライアントは多くの山をお友達やガイドに依頼しながら楽しんでこられて70代の今も足の持病と膝痛に苦しみながらも登山を楽しんでおり、この雲ノ平と高天原はご本人にとって【最後の北アルプス】というお気持ちで今の足の状態でも安全に楽しめる計画を作成してほしいということ、お友達からは途中鷲羽岳を登りたいというご依頼でした。
通常、高天原や雲ノ平を巡る旅を計画すると3泊4日程度(折立から太郎小屋、太郎小屋から高天原、高天原から雲ノ平を経て三俣山荘、三俣山荘から新穂高へ下山)などと出てきますが、それではコースタイム8時間以上の登山をコースタイム内で楽々こなせる経験者なら楽しめるのですが、今回のクライアントにそれは厳しいため、当初、新穂高から折立へ抜ける7泊8日の計画を作成、今年になりクライアントの足の状態が良くないことから雲ノ平より薬師沢へ下降するルートを避けたいとの変更希望により最終的には新穂高入り、新穂高下山へ計画を変更、それによって今回のルートが確定されました。
ルートを作成するにあたって重要なことが疲れをためないことで、1日最大で6時間(コースタイムではない)までの歩行で計画を作成させていただきました。
1日目 昼に松本集合後ワサビ平小屋まで
2日目 ワサビ平小屋から鏡平
3日目 鏡平から三俣山荘(お友達は山荘到着後鷲羽岳ピストン)
4日目 三俣山荘から雲ノ平
5日目 雲ノ平から高天原(温泉)
6日目 高天原から三俣山荘
7日目 三俣山荘から鏡平
8日目 鏡平から新穂高温泉下山

出発の1か月前にはクライアントの足の状態が良くないため一時はキャンセルも検討されたようでしたが無事に出発の日を迎えることができました。
計画していた行程は順調に進み、クライアントにとっては初めての長期登山でしたが激しい疲労もたまることもなく、あまりストレスもなく景色や小屋での生活や食事、高天原では温泉を楽しんでいるようでした。天気も8日間のうち2日は雨でしたがあとは晴天と全体を通してみれば十分楽しめるものでした。
もちろんクライアントに怪我などもなく笑顔で下山することができました。




途中の小屋である登山者の方に「なんでそんなに遅いの?」「時間をかけすぎている」など8日もかけている我々の計画を聞いて鼻で笑った60代と思われる男性がいました。
何も言い返しませんでしたが、この計画を一所懸命に頑張っているクライアントを思うと非常に不愉快な出来事でした・・・8日もかけて事故を起こしているならともかく、元気に、怪我も事故もなく笑顔で下山している彼女たちの計画を笑われる筋合いはありません。
年齢を重ねれば個人差はあれど体にはいろいろと異変があるものです。
今は元気な若者であってもどうなるかなんてわかりません。
クライアントの歩く速度もこれ以上遅くなるならこの計画も無理だったかもしれませんが、今の速度であれば山小屋の多いこのエリアなら無理のない計画です。
むしろ年齢や状況にあわせた計画作成依頼を自らされたクライアントは正しい判断をされたと思います。これからもご自身の状態にあわせた登山を楽しんでください!
今回のケースのように、講習から参加されていなくても登山経験者であれば一度小さな山でご一緒させていただくことで状態を確認させていただいた後、長期山行もお請けいたします。
年齢や身体的問題で悩んでいらっしゃる方はぜひ一度ご相談ください。
もちろん一番のおすすめは長期間のプログラムで登山技術を習得しながら進めていくことですのでこちらも併せてご検討ください。
FuruhataMountainOfficeでは長期間にわたるトレーニングを含めた計画及びガイドをお手伝いさせていただきます。
単独でも、お友達と数名のグループでの参加でも可能です。
もちろん今回ケース同様の雲ノ平/高天原を希望される方もご相談ください。
詳しことは直接お問合せください。
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